第三幕:ノミの夫婦
主婦で一児の母、 さおりがご案内いたします。
雨が降ってきた
長屋の部屋
夫は 雨のせいで行商に行けなくなった
ノミの夫婦は いろいろと話し始めた
今、話題の料理屋
松源(まつげん)の話になった
どんな料理が出るんだろう
評判の高級料亭だ・・・
松源のチラシがある
会席
味噌吸い物
口取肴
二つ物
刺身
椀物
一汁一菜
想像つくかい
話だけでも・・と、楽しむ夫婦
至福のとき・・・
「いつか本当に行ってみてぇもんだ 」
「一生、そんな贅沢できるもんかね! 」
「降って欲しいね、 銭の雨・・・ 」
雨が上がった
夫は行商に出掛ける準備を始めた
夫婦は外に出た
「じゃ 行ってくるよ・・ 」
と、そこに
部厚い財布が 落ちていた
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第四幕:鶴蔵
主婦で一児の母、 さおりがご案内いたします。
鶴蔵は料理屋の外で師匠を待っている
金を借りる為だ・・
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鶴蔵は錦絵の職人だ
5年前
鶴蔵は師匠の所を飛び出した
新しい錦絵を描くと・・・
行動を共にした絵師も何人かいた
最初は調子が良かったが
つづかなかった・・・
今では、鶴蔵 一人になってしまった
そんなとき
大店の文扇堂の旦那が仕事を出してくれるという
扇絵だ
だが
元手の金がいる
その金を
飛び出した先の師匠に
無心しようとしている
思い切って 師匠に会った
師匠は扇絵のことを知っていた
鶴蔵は 金の無心が出来なかった
師匠は羽織一枚を鶴蔵に与えただけだった・・
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第五幕:影
主婦で一児の母、 さおりがご案内いたします。
お吉は島帰りだ
何処へ行っても
白い目で見られる
それが止むことはない
あるとき
野良犬に襲われている子供を助けた
そのとき 足を滑らせて
川に落ちてしまった
ひどいカッコウだ
子供はペコリと一礼した
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疲れ果てて お吉は長屋に帰った
長屋でも まわりは白い目で見ている
止むことはない
朝
お吉を おとこが訪ねてきた
昨日、子供を助けてくれた礼がしたいという
子供は文扇堂の小僧だったと
旦那がどうしても礼が言いたいという
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お吉は 二の腕の入れ墨を見せた
島帰りだと
おとこは躊躇した が
「罪は償いなすっただろ 」
と言った
「罪は償いましたが
罪の影を背負っております 」
お吉がこたすた
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そこに
昨日の小僧と文扇堂の旦那の姿が見えた
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